「あの方を見送ってから、ふとした時に思い出してしまう」。看取りのあとの職員の気持ちは、一人で抱え込まれがちです。悲しみを自然な反応として受けとめ、チームでふり返るデスカンファレンスの進め方をまとめました。医療ソーシャルワーカー歴11年、社会福祉士・キャリアコンサルタントでもある札幌の社会保険労務士が、看取り後の職員のケアを解説します。

「長く担当していた利用者さんが亡くなって、なんだか気持ちが追いつかない」「ほかの人は平気そうなのに、自分だけ引きずっているのかな」。そんな気持ちを抱えたまま、次の勤務に入っていませんか。看取りは、ご本人やご家族にとってだけでなく、関わった職員にとっても大きな出来事です。今日は、看取りのあとの職員の心の支え方と、チームで行うふり返り「デスカンファレンス」についてお話しします。

看取りのあとの気持ちは、自然な反応です

大切な人を亡くしたときの悲しみや、その悲しみに寄り添う関わりを「グリーフケア」と呼びます。グリーフケアというとご家族へのケアを思い浮かべがちですが、毎日声をかけ、食事や入浴を手伝ってきた職員にも、さびしさや喪失感が生まれるのは自然なことです。

「もっと何かできたのでは」という心残りや、急変時の対応への迷いが残ることもあります。それは、ていねいに関わってきた証でもあります。まずは職場全体で「悲しくなるのは当たり前」「プロだから平気でいなければ、ではない」という空気をつくることが、支えの第一歩になります。

職員のケアは「一人ひとり」と「チーム」の両方で

一人ひとりへの支えとしては、次のような小さな工夫が役立ちます。

  • 看取りに関わった職員に、上司やリーダーが「おつかれさま」「どうだった?」とひと声かける
  • 夜勤明けなどに看取りがあった職員の、その後の勤務や休憩に配慮する
  • 気持ちが沈む日が続くときに相談できる先を、あらかじめ伝えておく

相談先の一つとして、厚生労働省の働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」には、匿名・無料で利用できる相談窓口の案内があります。職場の中だけで抱え込まない選択肢として、紹介しておくと安心です。

デスカンファレンスの進め方 ― 責めない、ふり返りの場

デスカンファレンスは、亡くなった方へのケアを関わった職員でふり返る話し合いです。法律で決められた制度ではなく、進め方は職場によってさまざまですが、一般的には次のような流れが考えられます。

  • 看取りから少し時間をおいて、30分ほどの短い時間で行う
  • 「よかったこと」「ご本人らしさを大切にできた場面」から話し始める
  • 迷ったこと、心残りなことも、責めずにそのまま受けとめる
  • 最後に「次の方のケアに生かしたいこと」を1つずつ言葉にする

大切なのは、ミスを探す場にしないことです。厚生労働省の「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」でも、医療・介護の多職種でつくるチームで、ご本人と話し合いを重ねていくことが大切にされています。デスカンファレンスは、そのチームのふり返りの場にもなります。

家族として見送りに立ち会ってきて

私は30年前に弟を脳腫瘍で亡くしています。当時私は中学3年生。弟は小学5年生でした。自分より若い弟が亡くなると思ってもみなかったので、弟が亡くなってから、この30年間「もっとこうしたらよかったのかもしれない」という後悔しかありませんでした。今でも「なんでこんなかかわりをしてしまったのかな・・・」と思い出すことがたくさんあります。当時は子どもを亡くした両親のことを思うと、私がしっかりしなければ!と思っていたので、最初の2年くらいは、悲しみに浸ることが出来ず、涙が出ないことがありました。後悔は尽きませんが、年々悲しさは募っているように思います。

昨年母を看取りました。でも弟の時と違い、母と向き合うこともできたと思っています。私自身「終活」を学び、終活マイライフとして、啓発していることもあるでしょうが、母の病気が発覚してから、約3年間、母の想いに寄り添えたことが大きかったと思います。かかわる時間が長ければ長いほど、悲しい気持ちは深くなり、「辛い」と言えない時こそ、誰かに頼ってみませんか。自分の「悲しみ」や「辛さ」を感じて、正直に伝えることは難しいことですが、「私は今、こういう気持ちなんだな」と素直に感じ、誰かに支えてもらうこともとても重要なことです。

話せる職場が、次のケアを支えます

看取りのあとの気持ちを言葉にできる職場では、職員が一人で疲れをため込みにくくなり、「この職場なら続けられる」という安心感にもつながります。デスカンファレンスを特別な会議にせず、いつものミーティングの延長として、できる形から始めてみてはいかがでしょうか。

札幌市で看取り後の職員のケア・デスカンファレンスのご相談はOffice You Key 社会保険労務士事務所へ

「看取りのあとの職員をどう支えたらよいか分からない」「デスカンファレンスを始めたいけれど、進め方に自信がない」という札幌市・北海道の医療機関、介護・福祉施設の皆様へ。Office You Keyでは、医療ソーシャルワーカー歴11年の社会保険労務士が、職員のメンタルヘルスを支える職場づくりから、管理職・リーダー向けの研修まで一貫してお手伝いします。企画・お見積りは無料で承っております。まずはお気軽にご相談ください。