医師、看護師、リハビリ、相談員、介護職、事務——。ひとりの患者さん・利用者さんを支えるために、たくさんの専門職が関わります。それぞれがプロとして最善を尽くしているのに、なぜか話が噛み合わない。「言ったはずなのに伝わっていない」「あの職種は現場を分かってくれない」——。

札幌の病院や福祉施設で研修をさせていただくと、この「多職種連携ゆえのすれ違い」の悩みを、本当によくお聞きします。院内だけでも難しいのに、そこに他の事業所や在宅のサービスが絡むと、連携はさらに複雑になります。今日は、この多職種のすれ違いがなぜ起きるのか、そしてそれをどうチームの力に変えていくのかを、私自身の医療現場での経験も交えてお話しします。

医療・福祉の現場、こんなお悩みありませんか

  • 多職種で情報を共有しているつもりなのに、肝心なことが伝わっていない
  • 職種によって「常識」や「優先順位」が違い、話が噛み合わない
  • 「あの職種は分かってくれない」というお互いの不満がたまっている
  • 院内・施設内でも難しいのに、他事業所や在宅が絡むとさらに連携が複雑になる
  • 忙しさのあまり、申し送りや連絡が事務的になり、余裕をもって関われない
  • 新人や若手が、多職種のなかで萎縮して発言できずにいる

どれか一つでも心当たりがあれば、それは誰かの努力不足ではありません。専門職それぞれが、違う”ものの見方”で現場を見ている——その前提が、共有されていないだけなのです。

なぜ多職種連携は”すれ違う”のか

同じ患者さんを見ていても、見ている”景色”が違う

多職種連携の難しさの根っこには、「同じ人を支えているのに、見ている景色が職種ごとに違う」という事実があります。

医師は治療の見通しを見て、看護師は日々の状態の変化を見て、リハビリは動作の回復を見て、相談員は退院後の生活を見て、介護職は暮らしの快適さを見ている。どれも正しく、どれも欠かせない視点です。けれど、それぞれが自分の”景色”を当たり前だと思っていると、「なぜ分かってくれないのか」という不満が生まれます。本当は誰も間違っていないのに、見ている角度が違うだけなのです。

院内から”外”に広がると、難しさが増す

院内・施設内の連携でさえ難しいのに、そこに他の医療機関、介護事業所、在宅のサービス、ご家族が加わると、連携の難しさは一気に増します。所属も違えば、使っている言葉も、大切にしている価値観も違う。顔を合わせる機会も少ない。

私は医療ソーシャルワーカーとして、まさにこの”境界をまたぐ連携”を仕事にしてきました。だからこそ実感しています——外部との連携がうまくいくかどうかは、まず院内・施設内のコミュニケーションが整っているかどうかにかかっている、と。内側がすれ違っていると、外との連携はもっとすれ違うのです。

すれ違いを埋める鍵は「翻訳」と「傾聴」

多職種のすれ違いを埋めるために必要なのは、誰かが我慢することでも、声の大きい職種に合わせることでもありません。お互いの”景色”を翻訳し合うことです。

「なぜあの職種はこう考えるのか」を理解できると、不満は「そういう事情があったのか」という納得に変わります。そのために欠かせないのが「傾聴」——相手の言葉の奥にある意図や事情まで、丁寧に聴く姿勢です。

私が研修で伝えたいのは、専門知識を増やすことではありません。それぞれの専門職が、お互いの立場を想像し、相手に伝わる言葉に翻訳できるようになること。それができるチームは、すれ違いが減るだけでなく、多職種であることが”強み”に変わっていきます。違う視点が集まることは、本来、患者さん・利用者さんにとって大きな財産なのですから。

研修で大切にしていること

私の医療・福祉向けコミュニケーション研修は、講師が一方的に「連携とはこうあるべき」と教える座学ではありません。現場で実際に起きているすれ違いを題材に、多職種で語り合いながら学んでいく、参加型のプログラムです。

職種を越えて、本音を出し合う場をつくります。 普段は言えない「実はこう思っていた」を、安心して口にできる場を用意します。それだけで、「あの職種もそう感じていたのか」という発見が生まれます。

「傾聴」を土台にします。 相手を説得する技術ではなく、相手の景色を聴きとる技術。ここから始めることで、対立が対話に変わっていきます。

明日の現場で使える形にします。 申し送りの一言、カンファレンスでの伝え方、他事業所への連絡の仕方——抽象論ではなく、具体的な場面に落として持ち帰っていただきます。

医療ソーシャルワーカー11年の経験から

私は社会保険労務士であると同時に、社会福祉士、国家資格キャリアコンサルタントの資格を持ち、約11年間、医療ソーシャルワーカーとして病院の現場に立ってきました。

医療ソーシャルワーカーは、まさに多職種と外部機関の”あいだ”に立つ仕事です。医師とも看護師とも、リハビリとも介護職とも、そして院外の事業所やご家族とも関わりながら、すれ違いを調整し、みんなが同じ方向を向けるように橋渡しをする。その11年間で私が学んだのは、連携の質は、専門知識ではなくコミュニケーションで決まるということでした。

現場の空気も、忙しさも、職種ごとの葛藤も、身をもって知っています。だからこそ、きれいごとではない、現場のリアルに根ざした研修をお届けできると思っています。

まずは、お話を聴かせてください

研修の内容は、病院・施設ごとの状況に合わせてお作りします。「多職種の連携をもっとスムーズにしたい」「院内のコミュニケーションを立て直したい」——今感じておられる課題を、まずはじっくりお聞かせください。

企画やお見積りの作成は無料で承っております。オンラインでの実施や、特定の職種・チームに絞った少人数開催にも対応しています。「まず相談だけでも」という段階でも、どうぞお気軽にお声がけください。

札幌を拠点に、北海道内から全国まで、皆さまの現場に伺います。多職種の”すれ違い”を、チームの”強み”に変えていきましょう。

Office You Key 社会保険労務士事務所

代表 斉藤梨絵(社会保険労務士・社会福祉士・国家資格キャリアコンサルタント)